なんとなく日誌

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例のグラボRX470(未改造)でVRを始めよう

例のグラボがまた入荷していたらしい

今年1~2月ごろ、5980円で売られて話題になっていた、例のグラボことRX470。
マイニング専用で映像出力端子がない代わりにメモリが8GB載っていて、マイニング業者からの放出と言われている。
それが、五月にまた入荷していたらしい。今もまだ残ってるっぽいのかな?

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Twitterから拝借

例のグラボでVRは遊べる?

例のグラボでHDMI出力ができるように改造して遊んでいる人が多かったけど、未改造でも使うことはできる。
WindowsMRゴーグルを買ってしまったので、例のグラボでVRが遊べるか試してみよう。
使用したCPUはi5-4460(4コア、3.2~3.4GHz、Haswell世代、非推奨)で、GPUは次のふたつを比較する。

	例のグラボ:RX470マイニングバージョン(VRAM8GB)
	Geforce GTX1060(3GB)

Steamをインストールして、「SteamVR Performance Test」を実行すると

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SteamVR Performance Test
例のグラボはばっちりVRレディだ。
性能的には問題ないらしい。
条件さえ揃うなら、最安で組めるVR ReadyPCになるはずだ。
ちなみに、GTX1060(3GB)だとこんな感じ。
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VRPerformanceTest(GTX10603GB)
ベンチマーク上の性能はGTX1060の方が上みたいだ。

例のグラボには「映像出力端子がない」

知っている人には言わずもがな、例のグラボにはHDMIやDisplayport、DVIなどの映像出力端子がない。
そのため、CPUの内臓グラフィック(iGPU)を通して、マザーボードの映像出力端子から出力することになる。
Windous10にはその設定があるので、やり方は以前の記事参照。
noroue4.hatenablog.com

VRゴーグルはだいたいHDMI接続なので、HDMI端子のあるマザーボードを選ぶ必要がある。(一部のゴーグルはDisplayport接続?)
今回はHDMI端子のないマザーボードだったので、DVI端子を変換して代用。

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こういうやつ
そのため、DVI規格の制限によりフレームレートが上限60fpsの制限を受けた。
HDMI接続であれば90fpsまでいけるはずだけど、未確認。

iGPU経由で出力すると、CPU処理のオーバーヘッドがある?

これが馬鹿にならないらしく、例のグラボではCPU処理がボトルネックになってしまう。
軽いシーンはともかく、少し負荷がかかると30~50fps程度までフレームレートが落ちる。
YoutubeVRの360°動画も、1080pまでしか再生できない。

例のグラボは「VRAM(GPUメモリ)が8GBも載っている」

例のグラボには破格のGPUメモリが載っている。Geforce1070や1080と同等。
VRはPC本体のメモリもGPUメモリも大きく消費するものが多いので、この点で非常にVRに向いている。
例えば、VRChatで重めのワールドに行ってみるとGPUメモリが7GBも消費される。

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バーみたいなワールド
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GPUメモリを7GBも消費している
40fps程度まで落ちてしまってはいるが、ボトルネックはCPUであり、GPU性能には余裕がある。
一方、GTX1060(3GB)ではどうだろう。
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GPUメモリがあふれている
描画性能的には余裕があるはずだけど、50fps程度まで落ちているのはGPUメモリが足りないせいだろう。
さらに、鏡がある場面ではさらにGPUメモリの要求が大きくなるのか非常に重くなり、10fps以下になってまともにプレイできない。
軽量なVRChat HOMEの鏡でもこれなので、GTX1060(3GB)がいかに鏡に弱いのかよくわかる。
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鏡があるとGTX1060(3GB)では厳しい
例のグラボはCPUオーバーヘッドのためにフル性能を発揮できず、GTX1060(3GB)はメモリ不足でフル性能を発揮できないようだ。
多くの場面ではGTX1060(3GB)の方が良いfpsが出るが、GTX1060(3GB)ではVRChatで結構重要な鏡(自分の姿の確認)を使いにくいのでどちらも痛しかゆし。
例のグラボを改造してHDMI出力ができるようになっていればこの問題点は解決されるので、超コスパなグラボになるだろう。
この手にハンダ技術があれば……

なお、GPUメモリ3GBで足りる場面であれば、GTX1060(3GB)の方がずっといいfpsになる。

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GPUメモリが足りているならGTX1060はいい性能


注意点

例のグラボは「8pinの補助電源が必要」

かなり大きめの電源でないと、8pinの補助電源が付いていないことが多い。
6pin補助電源だけでも動くようだけど、安全を考えるならできれば8pin付きの電源を選んで欲しい。

起動できないアプリもある

例のグラボではGoogleEarthVRを起動することができなかった。
(※GoogleEarthVRの仕様で、メインディスプレイとVRゴーグルを同じグラボに挿す必要があるため)
もしかしたら、他にも起動できないものがあるかもしれない。

結論:例のグラボRX470でVRは遊べる

CPUのオーバーヘッドのために高fpsは出にくいものの、VRの入門用には十分だ。
6000円のグラボでVRができるのは破格の安さ。
もし売っているのを見かけたら、とりあえずこれで組んでVRを体験してみるのもいいんじゃないかな?
本格的にやりたくなったら、最低でも6GB、できれば8GBのGPUメモリを載せたグラフィックボードを買おう。

なお、fpsの測定は「fpsVR」というソフトを使いました。(410円)
また、GPUメモリの使われ方は状況によって大きく変化するらしく、同じソフト同じ場所であっても、非常に重くなることもあれば全然平気なこともあります。
上記比較結果は参考程度にしてください。

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VRChat


GTX1060(3GB)はVRAM不足でVRChatの鏡が重すぎる


→例のグラボの改造をやってみました
noroue4.hatenablog.com