なんとなく日誌

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魔女「マリ・ド・サンス」の正体を追う

マリ・ド・サンスとはなにものか

 「魔女マリ・ダスピルクエット」から始まった、なぜか有名な魔女の正体を追うシリーズ。
 ネット上にあるマリ・ド・サンス解説の元になっているのはYahoo知恵袋の回答だ。まとめサイトでは「ただの殺人鬼」「魔女行為はしていない」とされているが誤りで、正しくはフランスで起こった悪魔憑き事件で裁かれた人物。殺人罪で捕まったわけではない。マリ・ド・サンスはこれまで調べた魔女の中でも特に誤った情報が広まっている。詳しくみていこう。
(注:素人による調査であり、不十分である可能性が高いです。特にスペイン語ラテン語から自動翻訳を使って解釈しているため、間違いがあるかもしれません。情報提供をお待ちしています)
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魔女「マンテウッチァ・ディ・フランチェスコ」の正体を追う

マンテウッチァ・ディ・フランチェスコとはなにものか

 「魔女マリ・ダスピルクエット」から始まった、なぜか有名な魔女の正体を追うシリーズ。マンテウッチァ・ディ・フランチェスコの名前は、Yahoo知恵袋震源地としてまとめサイトに広がっている。
 マリ・ダスピルクエットや イザボー・シェイネは海外ではあまり知られていないようだが、調べてみるとマンテウッチァ・ディ・フランチェスコは海外でも有名なキャラクターらしい。綴りは『Matteuccia de Francesco』で、英語Wikipediaにもページがある。(表記ゆれ:Matteuccia di Francesco)
 それでは、原典を確認してみよう。
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歴史上の『マンテウッチァ・ディ・フランチェスコ

 『マンテウッチァ・ディ・フランチェスコ』は1428年にイタリアのTODIで魔女裁判にかけられた人物であり、魔女裁判の最初期の被害者(※注)として、そして裁判記録に残っている中で最初の「空を飛ぶ魔女」として重要な人物で、多くの書籍や魔女研究にも登場するようだ。その中でも最も詳しいと思われる『TODIにおける魔女裁判と有罪判決の記録、マンテウッチァ・ディ・フランチェスコ、1428年3月20日』(1972)(※1)という、マンテウッチァ・ディ・フランチェスコを調べた書籍があるようだが、内容は確認できなかった。ラテン語で書かれていた裁判記録を英訳したものらしい。

 ちなみにMatteucciaはシダ植物の分類のひとつで、日本では山菜の「こごみ」がこれに含まれる。
(後年にイタリアの自然科学者『Carlo Matteucci』にちなんで名づけられたものなので、当時にこの意味はなかったが)

注※あくまで14世紀に盛んになった魔女狩りの最初期の被害者であり、それ以前に魔女として訴えられた人物がいないわけではない。(アリス・キテラなど)

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魔女「イザボー・シェイネ」の正体を追う

イザボー・シェイネとはなにものか

 前回、なぜか日本で有名になりつつある「魔女マリ・ダスピルクエット」について調べた。
 ネット上にある解説の元になっているのは、Yahoo知恵袋の質問「実際に実在していた魔女といわれていた人を教えて下さい(2010/7/13)」の回答だ。これが複数のまとめサイトに広がることで複数の「なぜか有名な魔女」が生まれつつあり、その一人がイザボー・シェイネだ。今のうちに、ちゃんと原典を確認しておこう。
(素人による調査なので、不十分なところがあります。特に原典はフランス語なので機械翻訳などを利用しています)
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歴史上の『イザボー・シェイネ』

 フランス・ヴィヴァレでの魔女裁判の記録を調査した『異端審問官を前にしたヴィヴァレの魔女たち(※1)』(1865)にイザボー・シェイネ(Cheyné Isabeau)の名前がある。1656年にヴィヴァレで裁かれた人物として、8ページにわたってイザボー・シェイネに対する尋問の内容が記録されているのだ。ちゃんと200年間、裁判記録が残されていたらしい。マリ・ダスピルクエットの原典である『悪魔の無節操絵図』と比べてもかなりマイナーな本のようだ。

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魔女『マリ・ダスピルクエット』の正体を追う

マリ・ダスピルクエットとはなにものか

 近年、日本のファンタジー作品に登場しはじめた魔女『マリ・ダスピルクエット』。
 現時点では有名なキャラクターとはいいがたいものの、ネット上のまとめサイトにも「実在した魔女」として多数紹介されており、新たな魔女キャラクターとして広まりつつあるように見える。このような動きはおそらく日本だけのものであり、海外においてはほとんど知られていないようだ。そんな『マリ・ダスピルクエット』がなぜ日本で魔女キャラとして確立されようとしているのか、原典不明のまま有名になる前に情報を整理しておきたい。
(※素人による調査であり、不十分である可能性が高いです。情報提供をお待ちしております)

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うらら迷路帖に登場する『マリ・キスピルクエット』
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オタク語りのネットスラング「擦る」の意味

「擦る」の意味とは

最近、twitter上などで「擦る」という言葉を頻繁に見かけるようになり、なかばネットミーム化しつつあるように見える。
何度も同じ話題・同じネタを繰り返すというような意味だが、主に作品語り・オタク語りをする層が使いはじめているのだ。
ついつい何度も作品の話をしてしまうというようなニュアンスで使われたり、あるいはよく話題にされていることを表現して「擦られている」と使われたりする。
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(このような用法は以前から存在していたが、最近になって急激に広まったらしい)

用法

用法について追記。
「体感でプラスのイメージで使われることが多い」と書いたが、利用例は幅広い。
プラスイメージの用法としては
・「このシーン一生擦る」「一生擦るくらい好き」など
・「また擦られてる(笑)」「このシーン擦られすぎやろw」「擦りすぎて草」みたいな「みんな好きやな」系
のようなものがある。
一方、マイナスイメージの用法としては
・「擦られすぎてウザイ、つまんね」「またこれかよ、擦りすぎ」
のように批判として使われることもある。
オタク語りとしてはプラスの用法が多いように思うが、観測範囲によっては否定の用法が多いと感じる人もいるかもしれない。

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マリ・キスピルクエット(うらら迷路帖)の元ネタ

元ネタを探してみよう

 今回は『うらら迷路帖』に登場する魔女、"マリ・キスピルクエット"。
彼女はメインキャラクターのひとりである小梅にとって憧れの存在だ。さて、この名前に元ネタはあるんだろうか?
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(追記:マリ・ダスピルクエットについて調査しました)
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鋼の錬金術師の名セリフ「一は全 全は一」の元ネタ

「一は全 全は一」

鋼の錬金術師で有名なこのセリフだけど、意外なことに元ネタがはっきりしていないらしい。
錬金術関係に元ネタがありそうだよね?と目星をつけて探してみよう。

一は全 全は一

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