なんとなく日誌

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鋼の錬金術師の名セリフ「一は全 全は一」の元ネタ

「一は全 全は一」

鋼の錬金術師で有名なこのセリフだけど、意外なことに元ネタがはっきりしていないらしい。
錬金術関係に元ネタがありそうだよね?と目星をつけて探してみよう。

一は全 全は一


元ネタ1:女性錬金術師「クレオパトラ」とウロボロス

ハガレン作中でも敵組織として重要な位置を占める、ウロボロス
錬金術におけるその初出は、賢者の石の製法を知る女性錬金術師のひとりとされるクレオパトラの著作らしい。
クレオパトラは3世紀ギリシャの人物で、蒸留器を発明したともいわれる。
※混同されることがあるが、エジプトの女王とは別人。
ウロボロス
そこで使われている言葉が「One is ALL」、すなわち「一は全」。(訳によっては ALL is Oneと続く)
これが直接の元ネタと考えてよさそうだ。

元ネタ2:さらに元をたどればギリシャ哲学者「ヘラクレイトス

ただし、「One is ALL」を最初に使ったのはクレオパトラではない。
さらに元ネタがある。ギリシャの哲学者ヘラクレイトスだ。
ヘラクレイトスはロゴスの説明として「One is ALL, ALL is One」を使った。(訳によってちょっと変わる)
ロゴスとは要するに世界の理のこと。たぶん、クレオパトラギリシャ哲学の影響を受けていたんだろう。
鋼の錬金術師の作中でも「一は全、全は一」は世界の理として描かれている。

万物は流転する

ヘラクレイトスは万物の流転を語った人物でもある。
炎がゆらめくように万物は流転するが、それらを変わらずに支える理もある。それがロゴスである。
鋼の錬金術師では「一は全、全は一」とは何かを問われたアルとエド無人島に放り込まれ、そこで生き延びながら万物の流転を体感し、世界の理の一端を見出した。
万物の流転と「一は全 全は一」
万物の流転と「一は全 全は一」その2
「目に見えない大きな流れ」
「その大きい流れの中のほんの小さなひとつ」
「全の中の一」
「その一が集まって全が存在する」
「この世は想像もつかない大きな法則に従って流れている」
アルフォンスとエドワードは、万物の流転の中に世界の理(ロゴス)を見出した。それこそが「一は全 全は一」である。
うん、ヘラクレイトスですね、これ。

クトゥルフにも関係する?

一方でクトゥルフ神話が元ネタとも言われてるらしく、いわゆる「ヨグ=ソトース」が「全にして一、一にして全」なる存在とのこと。
ヨグ=ソトースはこの世のすべてにつながる扉としても描かれているそうで、たしかに鋼の錬金術師の「真理の扉」と符合するところも多い。
真理やホムンクルスの外見もクトゥルフチックなところがある。
錬金術クトゥルフの合わせ技なのかも。
真理の扉とヨグ=ソトース

仏教とはたぶん無関係

Google検索してみると、なぜか「仏教」がサジェストされる。
スピリチュアルな方面でこのセリフが引用されることが多いようだが、仏教にそのような概念が存在しているというわけではなさそう。

おわび

調べた限りのことを書いたけど、ギリシャ哲学には詳しくないです。
ロゴスの解釈とか間違ってたらごめんなさい。
万物は流転する
シャミ子は悪くないよ